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​お知らせ・活動報告

【なごやラボだより】プラ循法、“チャンス”か、それとも“破滅への入口”か?

資源プラ協会なごやラボの本堀です。年の瀬になり、本格的に寒くなってきましたね。


プラスチック資源循環促進法(以下、「プラ循法」と略します)の施行以降、資源プラ協会にはプラスチックのリサイクルに関する様々なご相談が寄せられてきています。


排出事業者、化学メーカー、中間処理業者、再生処理業者・・・、実に様々な業種からお問い合わせを頂いています。


そもそも「プラ循法」という法律は、プラスチックに係る全ての事業主体(行政(国、地方自治体)も含む)を対象としています


現在の文明社会においては、事業を営む上で「プラスチックを全く利用しない」という選択肢は非現実的でありますので、いずれの事業主体も何らかの形でプラ循法への対応が必要となる訳です。


しかし、プラ循法が施行されたものの、「現実にナニから取り組んでいけば良いのか全く分からない・・・」というご相談を多く頂いています。


またプラ循法への対応を急ぐあまり、かなり無理をして非現実的なリサイクルを押し進めている事例も見受けられます。


「プラ循法が施行されたから、ナニかしなければならない」というお気持ちは良く理解できるのですが、リサイクルを事業として営むためには「持続性」という視点が非常に重要です。


この点を外すと”大火傷”します。


特に当協会に寄せられたご相談を鑑みると、「とにかくマテリアルリサイクル!何が何でもマテリアルリサイクル!コストが掛かってもマテリアルリサイクル!」という持続性を無視した”常軌を逸したマテリアルリサイクルへのこだわり”が横行していると感じます。


この様な”免罪符的なマテリアルリサイクル”の弊害が顕在化してきているのが現在の状であると思います。





免罪符的なマテリアルリサイクルが生み出す弊害としては、下図の様なものが挙げられますが、中でも問題なのは、「経済的な合理性」を無視したゴリ押しが既存の公正な市場取引に基づいて機能してきた再生原料取引市場や資源循環の輪を破壊してしまう事にあります。





先にも申しました様に、リサイクルを事業として営む上で最も重要な点は「持続性」です。


資源循環の輪に基づく物流を安定に営むためには、「事業の持続性」を確保する必要があります。


この持続性を確保する最も手っ取り早い方法は、「経済的な合理性」を基準とした市場における公正な取引に基づいて資源プラやプラスチック廃棄物の物流体制を構築する事です。


プラ循法の施行によりプラスチックのリサイクルに対して社会の関心が高まる事は大変結構な事なのですが、背伸びして持続性の無いビジネスモデルを押し進めても”破滅”へ繋がるだけです。


この破滅は、無理をした事業者だけでなく、ヘタをすると業界全体の破滅を招く可能性もあります。


持続的なビジネスの可能性を判断する「経済的な合理性」と、資源プラレベルの品質を生み出す技術の可能性を判断する「技術的な妥当性」に基づいて、身の丈に合ったリサイクルへの取り組みを進める事がプラ循法への適切な対応に繋がる早道であり、プラ循法の施行をビジネスチャンスに変える力になるのではないでしょうか?


「免罪符的なマテリアルリサイクルが、資源循環の輪を破壊する!」、今、私が皆様に最も申し上げたい点です。


プラ循法、「新たなビジネスチャンス」となるか、それとも「破滅への入口」となるか、今一度、立ち止まって考える必要があると思います。


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