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​お知らせ・活動報告

【なごやラボだより】透明性について考える

資源プラ協会なごやラボの本堀です。夏真っ盛りですね。

 

さて、資源プラ協会では、月一回の理事会において、リサイクルに限らずプラスチックを取り巻く様々な事象について意見交換を行っています。

 

資源プラ協会には、物流、法務、技術といった多様な専門性と深い経験を持つ理事が在籍しておりまして、一つのテーマを多角的な視点で分析できる強みがあります。

 

先月の理事会ではリサイクル事業における「透明性」がテーマに取り上げられました。

 

現在、多くの企業はこの顧客や社会に対する「透明性」を確立するために非常に苦心しています。

 

なぜならば、「透明性」の確立こそが、顧客のみならず、社会の理解を得て、事業を持続的に営むための必須要件であるからです。

 

我々は社会の一員である以上、社会の中で「事業」を“持続的”に営む為には、社会の理解を得る事が必須です。

 

環境問題が社会的に重大な課題となっている現状では、全ての事業者が“何らかの形”で環境問題に取り組まなければならない(取り組まざる得ない)といえます。

 

これは「企業の社会的な責任(CSR)」の一環でもあります。

 

特にプラスチック廃棄物の管理については、自然環境への逸出による悪影響への社会的な関心が高く、また「法の要請」によりリサイクルを含めた積極的な関与が必要です。

 

故に、リサイクルを事業として持続的に社会の中で営むために、「リサイクル事業の透明性」を確立する必要があるのです。

 



 

例えば、資源プラの輸出について考えてみましょう。

 

改正バーゼル条約の施行に伴い、プラスチック廃棄物の輸出は非常に難しくなりました。

 

これはバーゼル条約の趣旨である「越境に伴う汚染の拡大を防止する」という目的に、全てのプラスチック廃棄物が条約の条文上管理下に置かれた事に由来します。

 

そのため、資源プラを海外に輸出するためには、バーゼル条約の趣旨に適い、バーゼル条約が定める規定に適合する必要があります。

 

資源プラは、「素材の単一化」と「異物の管理」を徹底的に進め、有価取引に供される我が国の戦略的な輸出資源として位置付けられるため、その由来、処理(製造)の過程、有価取引、保管と輸送の履歴(トレーサビリティ)の各段階において明確な透明性の確保が求められます。

 

改正バーゼル条約の施行に伴い、我が国においてもバーゼル法が施行され、資源プラの流通においては、我が国の行政機関(税関、環境省、経産省)、輸出先の行政機関、専門商社、乙仲、再生処理業者による多段階で多角的なチェック体制が構築され、運用されるに至っています。

 

この官民を通じた多段階で多角的なチェック体制の構築が結果として「透明性」の確保に大きく貢献しているのです。

 

また資源プラは、公正な市場における有価取引に供されるため、不適正な処理に由来する低品質なプラスチック廃棄物の処理物は市場から“自ずと”弾かれる事になり、プラスチック廃棄物由来の透明性が経済的な合理性に基づいて確保されている事になります。

 



 

つまり、「経済的な合理性」が「透明性」を確立し、この「透明性」がプラスチックリサイクルの「持続性」を担保するのです。

 

「透明性」、少し抽象的な文言なのですが、リサイクルを営む上で欠く事ができないキーワードです。

 

皆様の営まれる事業に置かれましても、「透明性」の視点から見つめてみてはいかがでしょうか?

 

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