資源プラ協会なごやラボの本堀です。年の瀬ですね。
今年は、ロシアによるウクライナ侵攻に加え、中東地域においてイスラエルとハマスの戦闘が拡大するなど世界を取り巻く環境は一段と混沌を深め、資源プラ流通を始めとするプラスチックのリサイクルの世界にも大きな影響を及ぼしています。
この様な時だからこそ、時代の動きをしっかりと見据え、生き残りを賭けて早めに手を打っていく必要がありますね。
さて、当協会で月1回開催される理事会においては、リサイクルを取り巻く市場環境に関して、高い専門性を有する経験豊富な理事により様々な角度から分析し、会員の皆様への情報提供に努めています。
この結果は、会員ページやセミナー、展示会などの場で還元させて頂いています。
先日、開催された理事会においては、「金利の動向」というテーマが取り上げられました。
皆様ご存知の様に、金利の動向というのは、事業を営む上で非常に重要なファクターとなります。
株価に反映される景況感は言うに及ばず、皆様の事業に係る運転資金や設備投資資金の借り入れにおける金利に直接影響を及ぼしますね。
金利変動を読みながら資金の安定調達を行う事は、生き残りを賭けた基本戦略の一つとなります。
先日の理事会では、直近の新発10年物国債の利回りを見ながら長期金利の動向について意見交換を進め、会員の皆様の経営状況や装置メーカーの受注状況について情報の整理が進められました。
現在の市場環境は悪化の一途を辿っています。
電気料金やガソリン価格に代表されるエネルギーコストの高騰、2024年問題に代表される物流コストの高騰、そして人材不足や政府による”要請という名の強制”に起因する人件費の高騰・・・、数えればキリが無い不安要素が噴き出しています。
この様な危機的な状況下において、さらに長期金利の上昇という金融面でのリスクも顕在化しているのです。
皆様御承知の通り、長期金利上昇が続けば貸付金利も上昇するため、設備投資が鈍化する事が懸念されます。
しかし適切な設備更新が行われなければ、資源プラの製造も滞ってしまう可能性もあります。
先に述べました様に、今後は人件費の高騰と慢性的な人材不足の状況に陥る事が想定されており、資源プラを製造する装置に関しても、少人数でのオペレーションが可能な「省力化」への要望が増しています。
装置の企画や設計においても、「省力化」は非常に重要なキーワードとなっており、当協会へも装置メーカー様より省力化の可能性に関するご相談を多数頂いております。
この悪化する市況を概観するだけで、もはや一事業者のみで対応する事が非常に難しくなってきている事がお解り頂けるかと思います。
我々資源プラ協会は、業界を取り巻く市場環境の変化をいち早く察知し、高い専門性を持つ理事が多角的な視点から分析し、ご協力頂いている装置メーカーやコンサルタント・学識経験者の力を結集してこの難局を乗り越える方策を検討しています。
会員の皆様と共に、資源プラが切り拓くプラスチックリサイクルの未来を創り上げていくために。
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