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​お知らせ・活動報告

【会員ページ技術解説】こんな「異物」や「汚れ」もあるんです!

なごやラボでは資源プラ製造や再生プラスチック原料の利用に影響を及ぼす異物や汚れに関する調査研究を進めています。 そのため様々なサンプルが持ち込まれますが、今回は少し変わった異物・汚れの事例をご紹介させて頂きます。下写真をご覧下さい。

これはPETボトルのベール品(圧縮品)に付着していたカビの一種の写真です。 皆様ご存知の様に飲料用のPETボトルは我々の生活に広く浸透しており、そして日々大量に廃棄されています。 従来はその多くが中国向けに輸出されていましたが、中国への流通経路が途絶えた今、国内でのリサイクルや東南アジア地域などの海外への輸出の道が模索され続けています。 いずれの方針を選択するにしても、異物や汚れの管理の徹底というものが必須である事は言うに及ばないのですが、この点に関していい加減な業者の方は少なからずいるものです。 さて今回持ち込まれたサンプルは再生処理時におけるベール品の開梱時に見つかったもので、正体がわからないため私の元へ持ち込まれました。 早速、実体顕微鏡で観察してみますと、カビの菌糸がキレイに繁茂していまして、その先端には分生子(無性の胞子)が形成されていました。 ただ菌体と分生子は干からびた状態で追加培養できませんでしたが、形態から判断すれば「黒カビ」と呼ばれる代表的なカビの仲間の一群であるCladosporium属の一種であると思われます。 「なんでこんなところにカビが生えるの?」と感じる方もおられるかと思いますが、実はPETボトルの底部に溜まった飲み残しを栄養源としてカビが生じたと考えられるのです。 PETボトルのベール品は十分な洗浄工程を経ずに出荷されているケースも少なからずあり、飲み残しなどの有機性の汚れが付着している事があります。 スポーツ飲料や果汁飲料は糖分やミネラル成分を多く含んでいますので、これらの飲み残しはカビにとって格好の”エサ”となる訳です。 カビはプラスチック表面に一旦固着してしまうと洗浄を行ってもなかなか取り除く事ができません。特にベール品については再生処理までそのままの状体で保管されているケースもあり、カビの繁殖を促してしまう可能性もあるのです。 この固着したカビは再生処理の妨げや再生プラスチック原料の物性への悪影響を招く可能性があります。 やはり、回収後はできるだけ早く異物や汚れの除去をおこなうための前処理や中間処理を施していく必要があります。 PETボトルに関しては、破砕、湿式洗浄、比重選別によるフレーク製造が資源プラ製造への基本的な単位操作の流れとなります。 資源プラは商品です。異物や汚れを除く事で品質を高めれば、市場での信頼を得る事ができ、安定な流通経路を確立する事に繋がります。 ぜひ、会員のみなさまも資源プラ製造における「異物」「汚れ」の存在というものに興味を持って頂けますと有難いです。