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​お知らせ・活動報告

【なごやラボだより】サーマルリカバリーという選択肢

11 分前
読了時間: 4分

資源プラ協会なごやラボの本堀です。そろそろ冬の訪れを感じますね。

 

さて、資源プラ協会と言いますと、プラスチックのマテリアルリサイクルを志向した団体であると思われる方が多いのではないのかと思います。

 

しかし、我々は決してマテリアルリサイクルにこだわる事はありません。

 

大切なのは、「プラスチック廃棄物の由来や性状に応じた“行き先”を決める」、つまり「適切な処分の在り方」を広く社会に提唱する事にあります。

 

 

そのためには、サーマルリカバリーやケミカルリサイクルもプラスチック廃棄物の“行き先”における“選択肢の一つ”と捉え、協会内でも事業化の可能性を調査研究し、会員の皆様に向けたレポートの配布やセミナーの開催を行っています。

 

確かに我々の主戦場である「資源プラ」は、マテリアルリサイクルの円滑な履行を志向した品質に依拠した取り組みなのですが、これは「公正な市場」における再生プラスチック原料の基材としての適性の評価に基づいています。

 

そのため、再生プラスチック原料の基材に適さないものについては、そもそも公正な市場における取引の対象になりえない訳で、他のフロー(選択肢)を見出す必要が有り、サーマルリカバリーもその一つとなります。

 

 

実際、我々の元にも様々なプラスチック廃棄物のマテリアルリサイクルの可能性に関するお問い合わせを頂くのですが、異物の混入や汚れの付着の程度が許容できないレベルでマテリアルリサイクルに供する事が難しいケースが多々見られます。

 

また、金属蒸着品、積層品など完全な素材の分別が難しいもの、つまり他素材や多種のプラスチックと複合化したものもマテリアルリサイクルには適さない事が多いです。

 

故にマテリアルリサイクルとは別の“行き先”を用意する必要があり、その一つの選択肢が「サーマルリカバリー(熱回収)」となる訳です。

 

 

サーマルリカバリー(熱回収)とは、「廃棄物、特にプラスチック廃棄物を焼却した際に生じる熱エネルギーを回収して有効利用する手法」と定義する事ができる訳なのですが、この方法を選択するためには、「得られる熱エネルギーを如何に回収して、如何に利用するか?」という課題をクリアする必要があります。

 

 

マテリアルリサイクルの場合は、再生プラスチック原料という「物質」を利用するためある程度のタームにわたる保存が可能で、需要に基づいた商品(工業製品)としての市場取引が可能となります。

 

他方、サーマルリカバリーに関しては、熱エネルギーに対する需要を踏まえた上で、プラスチック廃棄物を、

 

1.廃棄物として直接燃やす

2.燃料化してから燃やす

 

の選択肢が存在します。

 

本質的にプラスチック廃棄物をリサイクルする前提は、廃棄物となったプラスチックを衛生的に処理・処分する事により生活環境の保全を行う事にあります。

 

故に、この衛生的な処理・処分を着実に履行した上で「資源化(リサイクル)」というステージに進む事になります。

 

この点を踏まえれば、サーマルリカバリーの形態として、

 

1.「プラスチック廃棄物を”廃棄物として”焼却(衛生的な中間処理)し、その際に発生する熱エネルギーを回収して有効利用する」、つまり、中間処理が主目的、サーマルリカバリーは副目的という消極的なサーマルリカバリー

 

2.「プラスチック廃棄物を“原料として”燃料(廃棄物燃料)を製造し、熱の回収と有効利用を“専らの目的”とした焼却(廃棄物の中間処理ではない!)を施す」、つまり、サーマルリカバリーが主目的である積極的なサーマルリカバリー

 

の2つが存在する事になります。

 

この違いは、サーマルリカバリーを志向した際に、「プラスチック廃棄物に“どこまで”手を加えるのか?」という取り組みの程度という事になります。

 

 

「そのまま燃やすのか?」、それとも「燃料化(気体燃料化、液体燃料化、固体燃料化)するのか?」、この点を熱エネルギーに対する需要を十分に勘案した上でプラスチック廃棄物にどこまで手を加えるのかを選択するのです。

 

特に燃料化という選択肢においては、燃料を市場での取引が可能なポータブルなエネルギー源と捉えなければならず、資源プラと同様に「経済的な合理性」と「技術的な妥当性」の視点に基づいた事業としての安定性と持続性を可能性を吟味する必要があります。

 

我々は、資源プラ化に代表されるマテリアルリサイクルに適さないプラスチック廃棄物の行き先としてサーマルリカバリーを一つの選択肢として重要視していますが、あくまでも事業として成立する仕組みを志向しています。

 

そのためには、資源プラとは異なる事業の安定性と持続性の確立が可能なビジネスモデルの構築を日夜検討しています。

 

初めに申しました様に、我々資源プラ協会は、マテリアルリサイクルのみならずプラスチック廃棄物の由来や性状に応じた“行き先”を見出す事により、リサイクルのシステム全体の整合性と合理性を確立する事を目指しているのです。

 

 
 
 

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