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​お知らせ・活動報告

【なごやラボだより】PETボトルラベルについてお勉強!

資源プラ協会なごやラボの本堀です。冬の訪れを感じる季節になりましたね。


さて、当協会で毎月1回開催される理事会においては、プラスチックに関する様々なテーマについて高い専門性を有する経験豊富な理事により様々な角度から分析し、会員の皆様への情報提供に努めています。


この結果は、会員ページやセミナー、展示会などの場で還元させて頂いています。


また理事会では、各理事が持つそれぞれの専門性を更に高めるため、テーマを持ち寄って学び続ける“継続的な研鑽”を行っています。


先日の理事会では、なごやラボで技術分野を管轄させて頂いています私の方から、「PETボトル飲料に使われているラベルの素材」をテーマに取り上げさせて頂きました。

PETボトル飲料では、ボトル本体にラベルが付着されている事が多い訳ですが、このラベルには視認性遮光性易解体性(剥がし易さ)などの機能が必要で、これらの要求を満たすための素材(材料)が選択されています。


現在、市場で流通しているPETボトル飲料のラベル向けフィルムの素材には、ポリスチレン(PS)ポリエチレン(PE)ポリプロピレン(PP)が主に使われていますが、最近ではポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルムを用いるケースも出てきました。


この様な「素材の動向」を知る事は、適切なリサイクルを進める上で非常に重要なポイントです。


理事会では、実際にいくつかサンプリングしたラベル片を用意し、比重試験などを行って、処理作業の現場でこれらの素材を識別する技法についても解説させて頂きました。


処理作業の現場において、作業者の方々が手軽に行う事が可能な識別技術を提案させて頂く事は、当協会が進めている資源プラという取り組みには欠かす事が出来ない技術要素です。





またラベルの装着法を知る事は、ボトルとラベルの効率的な分別システムを構築する際にも大いに役立ちます


先日の理事会においては、ポリスチレン(PS)製のシュリンクフィルムを使ったラベルの装着法とシュリンキング(熱収縮)の科学的な原理を化学の視点から解説させて頂き、理事同士で活発な意見交換が行われました。





ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)製のラベルを用いる場合には、ボトルに付着させるために粘着剤を用いるのですが、この粘着剤の化学的な組成とマテリアルリサイクル、特に再生処理における注意点も化学的な立場から取り上げさせて頂きました。







粘着剤の存在は、マテリアルリサイクルにおいて再生原料の物性に大きく影響する事があるため、適切に除去する事が望ましく、最近ではラベルレスのPETボトル飲料が登場したり、ラベルを剥がし易くするための商品設計上の様々な工夫が施されていたりします。


資源プラ協会の理事会では、市場や技術開発の動向を注視し、集めた様々な情報に対して専門性の異なる理事が様々な角度からアプローチする事で、資源プラという取り組みを推進しています。


今回お話しさせて頂いた「PETボトル飲料のラベルの素材」というテーマについては、後日、会員の皆様に向けて解説動画や技術資料を別途提供させて頂きますので、そちらの方もご覧頂けましたら幸いです。


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