【資源プラ輸出3フェーズ表】なぜ “3フェーズ” で考えると管理しやすくなるのか
- パナ ケミカル

- 5 日前
- 読了時間: 4分

資源プラ協会では、プラスチック輸出の判断を分かりやすく整理した「資源プラ輸出3フェーズ表」 を公開しました。
ブログでは、特設ページだけでは伝えきれないポイントや、現場で役立つ実務的な視点をシリーズで解説していきます。
基礎から知りたい方は、特設ページもあわせてご覧ください。
▼ 資源プラ輸出3フェーズ表(特設ページ)
https://www.shigenpla.com/three-phasechart
これまでプラスチックリサイクルの世界では、材料の価値づけやバーゼル法の判断において、
① プレコンシューマー(工場廃材)
② ポストコンシューマー(消費廃材)
という 2フェーズの考え方 が一般的でした。
しかし、この2分類だけでは、HSコード(貿易コード)と整合しない部分が多く、実務の現場で「グレーゾーン」が生まれてしまう という問題がありました。
■ HSコードは「形状」で分類するため、2フェーズでは不十分
バーゼル法は汚れや異物の有無で判断しますが、
HSコードは 製品としての形状や用途 で分類します。
製造現場には、
● 加工前の未使用原料(一次製品)
● シートやロールなどの加工途中の素材(二次製品)
● 成形途中の部品化したもの
● 完成品
と、多様な状態のプラスチックがあります。
そのため、単に
「工場廃材(プレコン)か?」
「消費廃材(ポストコン)か?」
という2フェーズではHSコードの分類が追いつかなくなってきました。
■ そこで「3フェーズ」に整理すると一気にわかりやすくなる
資源プラ協会では、 HSコードとバーゼル法の両方に整合する形で、
以下の 3フェーズ分類 を採用しています。
① 製造現場の加工前(未使用品)
ペレット、粉砕、インゴット、粉
ロール、板、シートなどの未使用素材
バーゼル非該当
HSコードは 一次製品(3901〜3914)または二次製品(3920〜3921)
② 製造後〜消費前(加工後の部品・半製品)
成形途中の部品
不良品・端材
加工された二次製品
ここが 従来の2フェーズでは最もグレーになっていた部分 です。
ポイントは、
→ 加工された二次製品は、一次製品形状(ペレット・粉砕・インゴット・粉)に戻さない限り “製品” として扱えない
そのため、
形状そのまま → 3915(プラ屑)
一次製品に戻す → 3901〜3914(再生原料)
となり、判断が明確になります。
③ 消費後(ポストコンシューマー)
● 回収された使用済みのプラスチック
汚れ・異物を除去し一次製品形状に再加工すると 3901〜3914
圧縮品など一次製品でないものは 3915
■ 3フェーズで判断すると、現場で迷わなくなる
バーゼル法や税関チェックの際には、
以下の3点が最も重要になります。
● 汚れ・異物がないか?
● ①②③のどのフェーズから出たものか?
● 形状は一次製品(ペレット・粉砕・インゴット・粉)に戻っているか?
この3つがわかれば、そのまま輸出できるのか、一次製品形状に加工し直す必要があるのか、HSコードは何か、輸出リスクはどれくらいかが即座に判断できます。
■ 2フェーズの問題点と、3フェーズにしたことでの改善
従来の2フェーズでは、②の「加工後〜消費前」の扱いが曖昧
● 圧縮品が“一次製品扱い”されてしまうケースがあった
● 製品なのか屑なのかの判断が統一されにくかった
● 輸出時のリスク判断が難しかった
という課題がありました。
しかし3フェーズに分けることで、
● 誰が見ても迷わない
● HSコードもバーゼル法も矛盾しない
● 国際的なルールとの整合性が取れる
● グレーゾーンがほぼ解消される
という大きなメリットが生まれました。
■ 結論:3フェーズは「だれでも・どこでも判断できる実務基準」
プレコンとポストコンの2フェーズでは見えづらかった部分が、「3フェーズ」にすることで明確になり、輸出前のチェックが非常に簡単&正確になりました。
資源プラ協会としては、この3フェーズを業界全体の共通言語にすることで、誤解のない、適正で安全な資源プラ輸出が広がることを期待しています。11月25日 14:16





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