【資源プラ輸出3フェーズ表】資源プラ輸出が求める「一次製品化」の重要性
- パナ ケミカル

- 12月3日
- 読了時間: 3分

資源プラ協会では、プラスチック輸出の判断を分かりやすく整理した「資源プラ輸出3フェーズ表」 を公開しました。
ブログでは、特設ページだけでは伝えきれないポイントや、現場で役立つ実務的な視点をシリーズで解説していきます。
基礎から知りたい方は、特設ページもあわせてご覧ください。
▼ 資源プラ輸出3フェーズ表(特設ページ)
https://www.shigenpla.com/three-phasechart
― 圧縮品輸出がリスクになってきた理由とは ―
私たち資源プラ協会が推奨している「資源プラ輸出」は、ゴミ(廃棄物)を輸出するものではありません。
国内で最終製品レベルまで加工するのではなく、プラスチック専用機でバーゼル法の懸念である「汚れ」と「異物」 を確実に除去し、国際貿易で規定されている一次製品(ペレット、粉砕、インゴット、粉) の形に加工することで、安全でトラブルのない輸出を行うという考え方 です。
■ なぜ一次製品(ペレット・粉砕・インゴット・粉)に戻す必要があるのか?
理由は明確で、
→ プラスチックの一次製品に「圧縮」という形状が存在しないからです。
HSコードは形状で分類されます。
ところがプラスチックにおいて「圧縮」という形状は一次製品にも製品にも該当しないため、分類上、必然的に「屑プラスチック(HS3915)」になります。
古紙には「再生古紙」の品番があるしかし再生プラスチックには「圧縮品」という品番がないこれが、プラ圧縮=屑(3915)扱いになる本質的な理由です。
■ 「バーゼル非該当」でも輸出できない理由
これは最近急速に強くなった国際ルールによるもので、日本でHSコード3915(プラ屑)と判断される
→ 相手国でも輸入許可が降りない
という構造が出来上がってきたためです。
以前はアジア各国の基準が甘く、
圧縮品や形状の残ったままの廃プラも受け入れられていました。
しかし現在は、アジア、EU、中東など、多くの国が 「3915は輸入しない・大幅に制限する」 という方向に進んでいます。
つまり、バーゼル非該当=環境法上 OKでもHS3915=貿易上 NG という状況が生まれているのです。
■ 圧縮品の輸出に潜む“近年の大きなリスク”
圧縮品は長年、業界で一般的に輸出されてきましたが、今後は同じ方法が通用しなくなりつつあります。
理由は次のとおりです。
HSコードは「圧縮」を一次製品と認めていないそのため“形状で”3915に自動分類される各国が3915の輸入を急速に制限
形状が製品のまま →「中古品」「廃棄物」と判断される可能性
いくら状態が良くても、輸入国で荷止め・返送のリスクが増大つまり、品質とは関係なく形状だけでNGとされる時代になりました。
■ どうすれば安全・確実に輸出できるのか?
答えは明確です。
● 軟質フィルム → ペレット化して輸出
● 硬質プラ → 元の形状がわからなくなるレベルまで粉砕し輸出
このように一次製品形状(ペレット・粉砕・インゴット・粉)へ加工すれば、
HSコード:3901~3914
バーゼル法:非該当
輸入国:受入可能
となり、資源プラとして安全に輸出できます。
■ 資源プラ輸出は、持続可能な“資源輸出産業”へ
資源プラ協会は、
汚れと異物を確実に除去し一次製品形状に戻し世界のルールに沿って輸出するという取り組みが、日本の再生プラスチック輸出の未来を守る最善策だと考えています。
そして今回の「資源プラ輸出3フェーズ表」の公開は、日本の資源輸出産業としての安全性・信用性をさらに高めるための重要な一歩です。
今後も、日本の高品質な再生原料(Resource Plastic)が世界で求められ続けるよう、ルールと実務の両面からサポートしていきます。




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