資源プラ協会なごやラボの本堀です。少しずつですが春が近づいている事を感じます。
さて、月1回開催される資源プラ協会の理事会では、資源プラを取り巻く様々な課題について協議されています。
もちろん資源プラの流通に関する市況動向についても、会員の皆様から寄せられた情報などを基に各分野の専門知識を有する理事によって精査され、その結果が会員ページや当協会主催のセミナー、各種のレポートに還元されます。
先日の理事会では、「アンモニア価格の推移」について協議されました。
現在、ロシアのウクライナ侵攻により全世界的にアンモニアに由来する尿素などの肥料が不足しています。
またアンモニアの出発原料の一つである天然ガスの価格が欧州を中心に高騰し、このあおりを受けてアンモニアの価格も上昇しています。
でも、「なんで資源プラ協会なのに”アンモニア”なの?関係ないじゃない?」と思われる方もおられるかと思います。
実は、”関係大アリ”なんです。
アンモニアの主たる用途は、先に述べました様に「肥料向け」です。
でも、プラスチック(ポリマー)の中にはアンモニアを出発原料としているものが多くあります。
ポリアミド(PA)、ポリアクリロニトリル(AN)、ABS樹脂、AS樹脂、アクリルアミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、NBR・・・、実に多くのプラスチックがアンモニアを原料としています。
これらのポリマーの分子内には「窒素原子(元素記号:N)」が含まれていますが、この窒素原子
は基本的にアンモニアに由来しているのです。
またポリマー分子中に窒素原子は含まれていないものの、製造の過程でアンモニアを必要とするアクリル樹脂の様なものもあります。
この様にプラスチックの生産にアンモニアの関与は大きく働いており、アンモニアに由来する資源プラも多く存在します。
そのため、アンモニアに由来するプラスチックの需給動向を把握する事は、今後の資源プラ流通の安定化を図るために欠かす事ができない作業なのです。
資源プラ協会では、多角的な視点からプラスチックの需給動向の把握に努め、会員の皆様のお役立て頂ける情報の発信に取り組んでいます。
それにしても、ロシアのウクライナ侵攻、早くおさまってもらいたいですね。平和であってこそ資源プラも安定に流通するのですから・・・。
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