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​お知らせ・活動報告

【なごやラボだより】ABS樹脂についてお勉強!

資源プラ協会なごやラボの本堀です。9月に入っても暑いですね。読んで字の如く“残暑”です。


そんな暑さの中でも資源プラ協会は活発に活動しています。


当協会で月1回開催される理事会においては、プラスチックに関する様々なテーマについて高い専門性を有する経験豊富な理事により様々な角度から分析し、会員の皆様への情報提供に努めています。


この結果は、会員ページやセミナー、展示会などの場で還元させて頂いています。


先日、開催された理事会においては、「ABS樹脂」というテーマが取り上げられました。


ABS樹脂は、スチレン系樹脂の中でも特に耐衝撃性や耐熱性、耐薬品性に優れる非常に便利なプラスチックです。


また流動性が良いために加工しやすく、射出成形、押出成形、ブロー成形など様々な成形法を用いる事が可能です。更に着色や電解メッキなどの二次加工(加飾)も施しやすく、様々な分野で利用されています。


ABS樹脂はマテリアルリサイクルにも適した素材であり、自動車や家電に由来する廃棄ABS樹脂のマテリアルリサイクルが盛んに行われています。




ABS樹脂とは、「アクリロニトリル(Acrylonitrile)」、「ブタジエン(Butadiene)」、「スチレン(Styrene)」の3種類のモノマーが結合した「三元共重合体」の事で、それぞれのモノマーの名称の頭文字を繋ぎ合わせて「ABS」としています。




ABS樹脂の優れた物性は、構成する3種類のモノマーの特性に由来しておりまして、アクリロニトリルは機械的強度や耐熱性を、ブタジエンは耐衝撃性を、スチレンは流動性を付与しています。


先に述べました様にABS樹脂は3種類のモノマー単位からなるのですが、技術的にはポリスチレンに代表される「スチレン系樹脂」に分類されています。


ポリスチレンは流動性(成形加工性)に優れるものの、機械的強度や耐熱性では劣るため、様々な改質技術が検討されてきました。実はABSも、その改質技術の成果の一つです。


さて、このABS樹脂について、理事の皆様と一緒に”化学の眼”を通じてお勉強をしました。


技術を所管させて頂いている”なごやラボ”の立場からは、「なぜ、ABS樹脂は不透明なのか?」、「最近、目にする様になった透明ABSとはどの様なものなのか?」などの素朴な疑問に対して、ABS樹脂の製法、ABS樹脂のミクロ構造(モロフォロジー)などの技術的な視点から説明をさせて頂きました。





そして実際にABS樹脂が利用されている成形加工品の事例を見ながら、ABS樹脂の特徴を学び、マテリアルリサイクルの可能性について意見交換を致しました。


この理事会での意見交換の結果は会員の皆様へセミナーやレポート、会員ページの記事などの形で還元させて頂きますので、是非、そちらの方もチェックして頂きたいです。


我々、資源プラ協会は、市場動向や社会情勢、法規制、技術などを多角的に見つめ、様々な背景を持つ専門家の立場で、安定で持続的なリサイクルの輪の構築と運用を目指しています。


毎月の理事会では、プラスチックに関する技術についてもガッツリとお勉強しているのです!


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