【なごやラボだより】「プラ」と「紙」との程良い関係
- 3 日前
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資源プラ協会なごやラボの本堀です。少しずつ春が近づいてきましたね。
さて、資源プラ協会では、様々な分野の経験豊富な専門家がプラスチックリサイクルに関する様々な事象を調査・研究しています。
私の所管するなごやラボでも技術的な視点からプラスチックリサイクルの在り方について研究を進めています。
その結果は、月1回開催される理事会において、各理事の持つ専門的な視点を踏まえて検証され、レポートや解説動画の形で会員の皆様に公開されています。
先日の理事会では、私の方から「「プラ」と「紙」の程よい関係」というテーマを報告させて頂きました。
プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラ新法)の制定により、「プラスチックの使用の合理化」を図る事が求められ、プラスチック、特にワンウェイ用途のプラスチック使用の削減を検討する動きが活発化しました。
その流れの一つに「プラスチックから紙への素材の転換」という動きがあります。
中には、「全てのプラスチックの使用を止めて紙などの他素材へ転換すれば良い」という過激な意見を喧伝する方も居まして、困惑してしまいます。
当協会としては、「人類の築き上げた文明はプラスチックの存在なしには持続し得ない」との立場から、「プラスチックとの付き合い方を合理化し、ヒトの社会においてヒトの管理下に置く事で自然界への逸出を極力抑制する」との方針を表明しています。
ヒトの管理下に置く手段の一つがリサイクルとなる訳で、この方針は決してプラ新法の趣旨に反するものではないと考えています。
しかし、「プラスチックの合理的な使用」という考え方に基づいて、プラスチックから紙へ転換する可能性を否定するつもりはありません。
そこで、理事会においてプラスチックと紙の違いについて化学の視点から検討を行いました。

共に高分子(ポリマー)を基材としている素材(紙はセルロースという高分子)でありながらも、紙にはプラスチックの様な可塑性を有さず、不透明(一部の紙は半透明)という特徴があります。


この性質の違いが、製法や加工法、そしてリサイクルの方法の違いに現れています。
理事会では、「プラスチックの持つ透明性を紙で発現させる事は可能か?」、「紙に可塑性を持たせる事は可能か?」などの技術的な課題について議論し、「プラスチックでしか出来ない事」と「紙でしか出来ない事」を検討しました。
そして、プラスチックの透明性を紙で発現させて素材の一つである「セロハン」を例に、セロハンのリサイクル性についても検討を行いました。

また、「紙はリサイクル性に優れ省資源である」との指摘も多く見られますが、「プラスチックもリサイクルすれば省資源である」と言えるのか?
そこで、プラスチックと紙のリサイクル性を検討し、双方の素材の省資源性についても議論を進めました。

やはり、プラスチックにはプラスチックの魅力があり、紙には紙の魅力があります。
大切な事は、プラスチックと紙の双方をそれぞれの持つ特性に基づいて、用途や目的に応じて使い分ける「程よい関係」を作り、廃棄後は素材の単一性を可能な限り確保して資源循環の輪に乗せる事にあります。
「プラ」と「紙」の程よい関係を作ることが、使用の合理化につながるのではないでしょうか?
理事会での議論の結果は、後日レポート化して会員の皆様に公開させて頂きます。





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