【なごやラボだより】プラスチックを棲み処とする生き物たちー海洋プラ調査からー
- 4月1日
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資源プラ協会なごやラボの本堀です。春ですね。
さて、資源プラ協会では、「資源プラ」という挑戦(取り組み)の普及を図ると共にプラスチックリサイクルを取り巻く様々な課題に関する調査研究プロジェクトを推進しています。
その一つが「自然環境に逸出したプラスチックの挙動に関する調査研究プロジェクト」です。
現在、河川や海洋などの自然環境に逸出したプラスチックが“汚染”と位置付けられ、生態系などへの影響が危惧されています。
そのためプラスチックに対する社会の眼は厳しさを増し、プラスチックの存在自体を忌避する方も居られます。
当協会としては、「プラスチックの恩恵無しには人類の文明社会の存続は難しく、プラスチックを人間社会で適切に管理し、その便益を享受する道を模索すべき」との立場を宣揚します。
しかし、現実問題として自然環境にプラスチックが逸出している事は事実であり、その影響を知る事は非常に重要な課題です。
そこで私が担当するなごやラボでは、河川や海洋へ逸出したプラスチックの調査を行い、プラスチックリサイクルのプロフェッショナルの立場から「できること」を検討しています。
本調査研究の成果は、会員の皆様にご報告させて頂きました後に可能な範囲で一般に公開する予定です。

ところで、この海洋プラ調査においては時折、“非常に面白いもの”を見つける事がありますので、今回は少しだけご紹介させて頂きます。
まずは、下写真をご覧下さい。

これは海岸に漂着した成形端材(プレコンシューマー品)なのですが、表面にはムール貝(ムラサキイガイ)やフジツボが付着しています。

付着しているムール貝を引っ張ってみますと、「足糸」と呼ばれる蛋白質の分泌物がプラスチックの表面に強く固着しており、なかなか剥がす事ができません。

実態顕微鏡で観察してみますと、足糸はプラスチック表面に放射状に張り巡らされ、強固に固着しています。

フジツボもプラスチックの表面に強く付着していまして、試しに引き剥がしてみますとプラスックの表面に分泌物の跡が残ります。この分泌物も「セメント」と呼ばれる蛋白質一種で、接着剤として機能しています。

この様にして見てみますと、ムール貝もフジツボもプラスチックを“棲み処”として利用している事が伺えますね。
巷では、「海洋に逸出したプラスチックが生き物の生存を脅かしている!」とのイメージを持たれる方が多いかの様に思いますが、生き物によってはプラスチックを「棲み処」として巧みに利用しているんです。
どんな世界でもしたたかに生きるヤツらがいるもんですね。
今回は、フィールド調査の現場で見つけた小さな発見についてお話させて頂きました。





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