【なごやラボだより】素材の単一化のための易解体性
- 8 時間前
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資源プラ協会なごやラボの本堀です。行楽シーズン到来ですね。
でも、我々は行楽には眼をくれず、プラスチックリサイクルの未来を開くべく、日夜闘いを続けています。
月1回開催される当協会の理事会においては、プラスチックを取り巻く様々な課題について、様々な分野における高度な専門性と深い業務経験を有する理事が多角的な議論を繰り広げています。
資源プラ協会内の機関の一つである「なごやラボ」の運営を担当させて頂いております私は、主にプラスチックリサイクルに関する技術的課題について調査研究を進めておりまして、理事会でも技術に関する議題を提唱させて頂いています。
先日の理事会では、「素材の単一化のための易解体性」というテーマを上げさせて頂き、活発な議論が展開されました。
プラスチックリサイクル、特にマテリアルリサイクルについては、リサイクルの対象となる種類のプラスチックのみに分別する事が必須であり、これを当協会では「素材の単一化」と呼んでいます。
世の中では「様々な形態の様々なプラスチックの種類から成る廃棄物」が日々排出されています。
この中からリサイクルに適した種類のプラスチックのみを集める操作、これが素材の単一化という事になるのですが、プラスチックを含む廃棄物からプラスチックのみ、それも目的とするプラスチックのみを分けるという事は結構骨の折れるものなのです。
そのため、リサイクルを志向した製品では、設計の段階で「廃棄後に解体し易い形態」が選択されます。
この「解体のし易さ」というものが「易解体性」という事になります。
理事会においては、この易解体性に優れる商品をいくつか取り上げ、どの様なリサイクルが適切で、どの様な技術や装置による処理を施し、どの様なルートで再生利用するべきかという点について多角的に議論を進めました。
議論において取り上げた事例の一つに「ラムネのビン」が挙げられます。
旧来、ラムネというとガラス瓶の口部に栓の役割を果たすガラス製の「ビー玉」がはめられており、ビー玉を押し込む事で開封されるという仕組みになっていました。
飲み終わった後はビンを回収して、そのままガラスとしてマテリアルリサイクルに供する事が可能です。
これは、ビン本体もビー玉も共にガラスという同一素材であるが故に可能な訳でありまして、廃棄時において既に素材の単一性が確保されている事になります。
ところが最近のラムネのビンは、取り扱い時の安全性(割れによるケガの防止)、薄肉・軽量化による輸送性の向上と輸送時における破損の防止、製造コストの圧縮などの観点からプラスチック素材に変化しています。

ボトルの本体はポリエチレンテレフタレート(PET)、口部はポリプロピレン(PP)、口部にはめられたビー玉は旧来通りのガラスという素材構成になっています。
また写真ではみる事ができませんが、パッキンなど他のプラスチック製部品も存在しており、リサイクルに供するためには、目的とするプラスチックへの素材の単一化を進める必要があります。
技術的には、排出された状態でミンチ破砕して選別するという方法も出来ない事はないのですが、後工程の比重選別が大変ですよね。
そこで、このプラスチック製のラムネのビンでは、廃棄時に部品毎に解体出来る様に製品設計が施されています。

ビンの口部がねじ式で、PP製の口部とPET製のボトル本体を分ける事が可能です。口部内部のパッキンも同時に分ける事ができ、栓の役割を持つビー玉も取り出す事ができます。
とても良くできた製品設計ですね。
「素材の単一性」はリサイクルを成し遂げるための必須要件です。
中間処理(破砕等)での素材の単一化はかなり面倒な事になる事が多いので、できるだけ“川上”つまり廃棄時に素材の単一化を進める事ができると非常に有難いです。
当協会では、リサイクルの川下から見た製品設計の在り方を川上、つまり製品を製造される方々にも提唱しています。
理事会での議論の結果は、レポートや解説動画の形で、後日会員の皆様にご報告させて頂きます。





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